欧州クリスマスマーケット便り(2)フランス・ストラスブール
クリスマスマーケットといえばドイツ発祥として知られていますが、今回はドイツ国境に近いフランス東部、ストラスブールのマーケットをご紹介します。
かつてドイツ領だったこともあるアルザス地方、ストラスブールのクリスマスマーケットは、1570年に初めて開催されて以来、今年で447回目を迎える欧州でも最も古いマーケットのうちの一つ。フランスでは最古の歴史を誇ります。
11月24日の点灯式で幕を開けた今年のクリスマスマーケットでは1カ月の開催期間中、200万人の来場者と2億5000万ユーロ(約330億円)の経済効果が見込まれているそうです。
市街中心部のクレベール広場には高さ28メートル、重さ8トンのクリスマスツリーが飾られています。このモミの木はストラスブール近郊のボージュ山脈から運ばれた木で、実は今年3本目のもの。1本目は切り倒す際に折れてしまい、2本目は順調に運ばれ設置されたもののひび割れが見つかり、安全面を考慮し交換を余儀なくされたとのこと。そんな苦労の末に立てられたクリスマスツリーは、クリスマスマーケットのシンボルとして多くの来場者を魅了しています。
さてクリスマスマーケットと言えば、香辛料の入ったホットワインが有名ですが、ほかにも蜂蜜入りのホットオレンジジュースやシナモン入りのホットアップルジュース、そしてホットチョコレートなど、甘くて体も温まる飲み物が多種類あるので、お酒が苦手な人や子どもたちも楽しめます。何カ所かに点在するマーケット屋台には、パンデピス(スパイス入りケーキ)やアルザスマカロン、ナプキンなど地元アルザス地方の特産品が並び、目移りする楽しさです。
1年で一番ロマンチックに街が染まるこの時期、フランス的なオシャレさと、ドイツ的な素朴さがミックスされた、ストラスブールのクリスマスマーケットは一見の価値ありです。
※1ユーロ=133円で換算(6日時点)
冒頭の写真は、ストラスブール大聖堂。高さ142メートルの教会が存在感を示している