【季節の果物図鑑】冬の果物といえば…中まで赤いリンゴ
冬の果物といえば、リンゴやミカンを思い浮かべるが、果肉が赤いリンゴを見たことがあるだろうか。今までは皮は赤くて果肉が白いリンゴが主流だったが、近年、果肉まで赤いものが品種登録されている。
実は、果肉が赤いリンゴは昔から存在はしていたが、渋くて酸っぱいため、生食では食べられるものではなかった。しかし近年は、味がよく生食として食べられる品種が育成され、従来のリンゴの概念を覆す赤い果肉のリンゴが誕生している。新品種の育成は青森県、長野県、農研機構の果樹試験場等が積極的に携わり、品種登録までしている。その中から、ここでは何種類か紹介したい。
ルビースイート
果肉が赤く、アントシアニンを含む食味の良い生食加工兼用リンゴ品種。450g程度と大果。「紅玉」と同時期に収穫できる。農研機構果樹研究所が育成、2013年11月22日公表。
http://www.naro.affrc.go.jp/patent/breed/0400/0413/049526.html
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/fruit/049463.html
紅の夢
弘前大学農学生命科学部藤崎農場で育成された品種。1981年から同農場で行われたリンゴの育種プロジェクトによって誕生し、2010年に品種登録された。果皮も果肉も黄色い品種とされていた木が、実は赤肉系の品種であり、そのリンゴと紅玉の花粉がたまたま受粉してできたという偶然の産物。現在は「紅の夢」普及委員会が「紅の夢」の普及推進に向け活動している。
http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/kurenainoyume/history.html
果肉の赤いリンゴはまだ市場にたくさんは出回ってはいないが、通販などで買える品種もあるので、ぜひお試しを。ホームパーティーなどで切って見せれば、その場が盛り上がること間違いなしだ。
冒頭の写真は紅の夢(くれないのゆめ)