【世界が見える! 米株ウォッチ】中東情勢の警戒感は限定的、ダウ最高値
アメリカ株式市場で見る世界動向通信
12月4~8日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、週間を通じて上昇し、雇用統計の予想を上回る結果が伝わったのを受けて史上最高値を更新した。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定すると発表したことで一時下落したが、反応は限定的だった。
4日は前週末比58.46ドル(0.24%)上昇の2万4290.05ドルだった。税制改革法案が金曜日に米上院で可決されたことを背景に上昇した。ハイテク株は軟調で、ハイテク株比率の高いナスダックは1%以上下落した。
5日は100ドル以上の下落、2万4180.64ドルだった。税制改革への期待感から買われていた分、利益確定の売りが出やすかった。この日、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都とすると発表し、投資家心理を冷やした。
6日は下落、2万4140.91ドルだった。中東情勢の先行き不透明感から原油価格が下落し、エネルギー関連株が売られた。1日を通して材料不足の中、前日、今年最大の下げ幅を記録した東京市場ほどの大幅な下落はなかった。
7日は上昇、2万4211.48ドルだった。雇用統計の公表前で動きにくさもあったが、税制改革法案の進展を意識した買いが入った。減税の恩恵を受けると考えられる銀行株などを中心に上昇した。
8日は上昇、2万4329.16ドルとなり、ダウは史上最高値を更新して取引を終えた。この日発表された11月の雇用統計が予想を上回る良好な結果だったことで、米国経済の先行き期待感から上昇した。
TOPIXの動き(12月4~8日)
12月4~8日の東京市場、TOPIX(東証株価指数)は、12月8日の終値が1803.73ポイントとなり、週間では前週末比ポイント(0.40%)上昇した。
週の前半はロシアゲート問題や、トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムと認定すると発表したことで、投資家心理が冷え、大幅に下落した。ただ週の後半は大幅上昇、円安が進んだことで海外展開する企業に買いが集まった。米国でハイテク株が買われた流れを引き継ぎ、ハイテク株が上昇した。乱高下したものの、週間では上昇して取引を終えた。
(写真はイメージ)