新年特集「世界のお正月!」(1)ドイツ
年越しパーティーで盛り上がり、元日から掃除?
一年の計は元旦にあり。
日本人にとって、一年で最も重要な意味を持つお正月。しかし、ところ変われば習慣や常識もがらりと変わるもの。世界各国ではどのような迎え方、過ごし方をしているのでしょうか? 今回はドイツの年末年始の様子をのぞいてみましょう。
正月の重要度はどのくらい?
日本の基準を10とした場合、ドイツではたぶん6~8くらいでしょうか。なぜなら、重要度10のイベントはクリスマスだからです。人々はそこで力を使い果たし、だらだらと年末になだれ込むような印象があります。ドイツではクリスマスの12月25日と26日が祝日で、そのあと27日から会社やお店は再び営業しています。年が明けてからは、いわゆる新年の祝日は1日だけで、2日からは世の中は通常営業に戻ります。
年越し・新年の祝い方は?
除夜の鐘を聞いて静かに過ごす日本の年越しと対照的に、ドイツの年越しは爆竹と花火の音に包まれます。これは年が改まる「狭間」に悪魔が入り込むという民間伝承に由来するもので、それを爆竹と花火で追い払うという意味があるのだそうです。
そして翌日、つまり元日は、年越しパーティーで大騒ぎした後の片付けをする日という感じ。つまり新年の初日から掃除をしなければならないという事態に陥りがちです。これは日本では「福を掃き出す」といって、お正月のタブーとなりますよね。
年末・年始に食べるものは?
年越しに食べるものの定番といえば、ベルリナーと呼ばれる菓子パン。これは、カーニバルの時にも食べる「お祭り菓子」的なものです。ジャムやクリームなどが中に入った揚げパンで、パーティーの場ではおふざけで、ジャムの代わりにマスタードが入った「ハズレ」が紛れ込んでいることがあります。
また、ドイツで年越しの際の食事といえばラクレット。これはセルフサービス式の鉄板焼きのようなもので、各自が小型の鉄板に、好みの野菜や肉を組み合わせ、その上にラクレットチーズをのせて焼いて食べるというもの。準備が簡単で、大勢でわいわいと楽しめるところが人気のようです。
その他、年末年始に定番の行事は?
1月6日は公現祭といって、東方の3人の博士たちが幼子キリストを訪れた日を記念する日です。実はクリスマスは12月25日で終わりではなく、この公現祭をもって正式に終了し、クリスマスツリーの撤去・廃棄が始まります。
1月6日を過ぎると、道端に捨てられたクリスマスツリーが目につき始めます
(冒頭の写真はイメージ)