AIと音楽の協奏 ヤマハの挑戦
ヤマハが同社ウェブサイト上にて“ダンスでピアノを演奏するコンサート”「舞・飛天遊」の一部を動画で公開。人工知能(AI)を用いた新しい形の音楽への挑戦をアピールしている。
この動画では、ダンサーの体の動きをリアルタイムでAIが音楽にし、ピアノを演奏。これと音楽家たちによるアンサンブルが共演する様子を閲覧できる。
これは、昨年11月22日に東京芸術大学で開催されたもので、同社が開発研究している「ダンス認識ピアノ演奏システム」というAIを活用して、人間の動きをリアルタイムに音楽表現に変換するというもの。4種類のセンサー(伸縮センサー、筋電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー)がダンサーの動きをAIに送り、その情報からAIは演奏データを生成。これが即時に自動演奏機能付きピアノで演奏され、ダンサーと演奏家たちとが共演することができる。
今回は「舞・飛天遊」(主催:東京芸術大学、東京芸術大学COI拠点)に同社が技術協力し、“ダンスによるピアノ演奏”を実現。世界的ダンサー森山開次のダンスと、その動きを元に生成された音楽、さらにベルリンフィル・シャルーンアンサンブルとが絶妙な芸術の世界を作り出している。同大学の副学長で作曲家の松下功氏は「芸術は時代に合わせて変化していくことが求められている」「音楽制作の制作スタイルとしてもチャレンジングで、新しい可能性とこれまでにない大きな感動を感じた」とコメント。ヤマハの研究開発統括部第1開発部部長の田邑元一氏は「ヤマハにとって人工知能は“人間と音楽の架け橋”となるような存在。さらに自由にダイレクトに人間の表現を楽器に伝えることができるように引き続き開発を続けていく」と意気込みを語っている。
画像提供:ヤマハ