新年特集 七草粥 日本の行事食の由来とは

新年特集 七草粥 日本の行事食の由来とは

元日を過ぎ5~6日経つと青果店やスーパーの店頭に並ぶ七草セット。七草粥を作るために7種類の春の七草を詰め合わせたもので、東京では400円ほどで購入することができる。

1月7日の朝に七草粥を食べるのは昔からの風習。お正月のごちそうに疲れた胃をいたわり、青菜の不足しがちなこの時期に栄養を補い、新年の無病息災を願う意味があるそうだ。この風習の原点となるのが、年初に雪の間から芽を出す草を摘む日本古来の「若菜摘み」だといわれている。またお隣の国、中国の六朝時代にさかのぼると、『荊楚歳時記けいそさいじき』に「人日」(人を殺さない日)である旧暦1月7日に、「七種菜羹しちしゅさいこう」という7種類の野菜を入れたあつもの(とろみのある汁物)を食べて無病を祈る習慣が記載されている。日本の若菜摘みの文化と中国の「七種菜羹」が日本において混ざり合い、現在の七草粥の風習が生まれたと考えられる。

さて七草とは何の草かといえば、1362年頃に書かれた源氏物語の注釈書『河海抄かかいしょう』に「芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろ、これぞ七種」と記載されている。なじみの薄い草の名前もいくつか混ざっているが、「すずな」はカブ、「すずしろ」はダイコン、と身近な食材で構成されている。それぞれに胃を丈夫にする効能や整腸効果など、身体にいい効果がたくさんあるそうだ。

七草粥の作り方はいたって簡単。すずなとすずしろは食べやすい大きさに切って薄切りにしてからゆで、それ以外の七草はさっとゆでてから食べやすいサイズに切っておかゆに混ぜるだけ。お餅を入れたり、地域によっては豆腐やゴボウを入れたり、味噌で味付けをしたりなど、独自の作り方があるそうだ。