中国で天然ガス不足、企業活動や一般家庭に影響も
中国で天然ガス不足が続いている。価格も高止まりが続くが、これは習近平政権下での環境汚染対策と、気温低下による一般家庭での需要増加が要因と見られている。このため、天然ガスを使用する企業の工場などで操業を停止する事態も発生しており、中国経済へのマイナス影響も生じ始めている。
近年、PM2.5など大気汚染問題が深刻化している中国では、石炭が中心だった国内エネルギーを、大気汚染の少ない天然ガスへ移行する「第13次5カ年計画」が2017年1月に採択された。同計画では、石炭の使用量を具体的に規制している。天然ガスは石炭に比べ、燃焼時に発生する二酸化炭素は約6割で、酸性雨の原因ともなる硫黄酸化物が発生しない。
昨年12月に石炭使用の規制が一部緩和されたことで、価格の急騰には歯止めがかかった。環境政策として石炭の代わりに打ち出された天然ガス使用だったが、切り替えによって供給バランスなどに弊害がないか、事前の十分な検証が求められる。
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