HAKUTO、期限内の打ち上げは困難に 挑戦は継続
民間による月面無人探査を競う国際レース「グーグル・ルナ・エクスプライズ(Google Lunar XPRIZE、GLXP)」に日本から唯一参加しているチーム「HAKUTO(ハクト)」は11日、今年3月31日までというレース期限内での打ち上げが困難になったと発表した。
HAKUTOは当初から月面を走る月面探査ローバーSORATO(ソラト)の開発に特化し、月までの輸送は他チームの月着陸船に相乗りする計画だったが、相乗り先のインドチームとインド宇宙研究機関(ISRO)のロケット打ち上げの調整がつかないという。それでもHAKUTOは同レースを離脱する意思はなく、引き続きあらゆる可能性を模索し、日本初の民間月面探査の実現を目指すとしている。
GLXPは、月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信することをミッションとしている。昨年1月に、SpaceIL(スペースIL、イスラエル)、Moon Express(ムーン・エクスプレス、米国)、Synergy Moon(シナジー・ムーン、国際)、TeamIndus(チーム・インダス、インド)、HAKUTOの5チームがレースの最終フェーズに進むことが発表された。
11月にはレースを主催するXPRIZE財団およびレースの審査員が来日し、HAKUTOのミッション計画の審査や、SORATOの熱真空試験、振動試験を行い、打ち上げに求められる基準のクリアを確認。12月に相乗り先のTeamIndusの拠点であるインドのバンガロールへSORATOを輸送した。TeamIndusもXPRIZE審査団による審査をクリアし、月着陸船の管制室を完成させ、HAKUTOと合同デモンストレーションも実施していた。
HAKUTO代表の袴田武史氏は、「HAKUTOのモットーは『「夢みたい」を現実に。』です。一歩ずつ歩み、挑戦をし続けてきました。資金調達に苦難し、相乗り先を変更し、ローバーも大胆な小型軽量化するなど、いままで数々の山や谷がありました。どんな困難があっても歩みを止めずにいれば、解決案は出てきます。我々は引き続き挑戦し続けます」とコメントしている。
画像提供:HAKUTO