体内時計と実生活時間のずれが不妊症につながる
体内時計と実生活の時間のずれが、加齢に伴う不妊症につながる。このずれをなくせば、不妊も改善されると、大阪大学の高瀬奈々特別研究員(口腔時間生物学研究室)らがマウスを使った実験で明らかにし、米科学誌『セル・レポーツ』で20日、オンライン公開された。
24時間の明暗周期の下で排卵周期に乱れのなかった中年の雌マウスに、明暗周期の断続的な変化を加えたところ、排卵周期に乱れが生じた。体内時計に関わる遺伝子が機能しないようにした雌マウスの場合、若い時には定期的な排卵周期を示すが、中年になると排卵周期が不規則になり不妊になった。この不妊になった中年の雌マウスを、明暗周期の長さを一定に調整した環境下に置くと、排卵周期の規則性が回復され、不妊も改善された。
人間もマウスと同じく体内時計を持っている。規則正しい生活で生活環境の明暗の周期を調整し、体内時計と実生活の時間のずれを解消すれば、人間の不妊症治療にも応用できる可能性がある。