自動運転用語を統一 一般への認知度向上目指す
自動車技術会(JSAE)が自動運転用語を定義したテクニカルペーパを、1日からウェブサイトで無償公開している。自動運転の用語を統一して広く一般に認知させるのが目的。今後の普及を視野に入れて、自動運転に関する認識や用語(レベル)を統一し、社会的受容性を広げていくことを目指す。
ペーパのタイトルはJASOテクニカルペーパ「自動車用運転自動化システムのレベル分類及び定義」で、内容はSAEインターナショナルが2016年9月に定めた「SAE J3016」の日本語参考訳。JASOはJSAEの団体規格で、技術仕様などを定めて自動車産業と消費者に標準情報を提供する役割を担っている。
JASOテクニカルペーパより
SAEでは自動運転のレベルを、レベル0(運転自動化なし)、レベル1(運転支援)、レベル2(部分的運転自動化)、レベル3(条件付運転自動化)、レベル4(高度運転自動化)、レベル5(完全運転自動化)の6段階に分けている。レベル2までは運転者が一部またはすべての動的運転タスクを実行し、レベル3からは自動運転システムが、その作動時にはすべての動的運転タスクを実行する。このペーパでは、レベル1~5のすべてに適用される用語は「運転自動化システム」、「運転自動化技術」であり、「自動運転システム」もしくは「ADS」はレベル3~5特有の用語であると示している。
ペーパの最後の部分では推奨しない用語について記載されている。これは、用語が機能的に正確さにかけて誤解を招きやすいケースや、運転自動化の下位のレベル1や2において誤用されることが多い用語など。具体的には「自律」「自己運転」「運転者なしの」「無人の」「ロボット」などが挙げられている。例えば「自律」という用語では外部との通信に依存するかどうかが曖昧になること、また法律学では「自律」は管理する能力を示すが、最も先進的な自動運転システムでさえ自己管理はしないので、誤用になるなどの問題点を指摘している。
(写真はイメージ)
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