IoTで保育園見守り 福岡で実証実験開始
福岡県の幼稚園・保育園が福岡市内広域IoTネットワークサービスを使って、保育園等が抱える現場の課題をIoT技術で解決する実証実験を始めた。教室内の空気環境の改善や午睡での事故防止へ向けての産学官連携の取り組みだ。
SKT(福岡県福岡市)は、やなぎ学園きりん幼稚園・きりん会きりん保育園と連携して、保育士不足や教育現場における課題解決に向けて、業務効率化に資するサービスを行ってきた。そこに、同社と業務提携し保育園のICT(情報通信技術)環境構築支援を進めていたNTT西日本と、「乳幼児の寝返りを検知するセンサーデバイス」等を開発した九州工業大学が各々のノウハウを持ち寄り、産官学連携でIoT(モノのインターネット)による保育環境向上に向けたトライアルを、同幼稚園・保育園で実施することになった。
具体的には、幼稚園と保育園の教室や屋外に空気環境を計測できるセンサーを設置し、感染症の抑制や快適な環境にするため、計測データをもとに保育士が空調機器の制御や換気を行う。また、乳幼児の布団や衣類にセンサーを取り付け、呼吸や寝返りを検知、うつぶせ寝や呼吸の停止などの異常を保育士が身に着けるデバイスの振動によって知らせる。
IoTにより事故防止や保育士の業務効率化が図れるほか、将来的には集めたデータを蓄積し、AIによって精度の高い異常検知を目指す。
画像提供:NTT西日本