米カルフォルニア州 無人の自動運転車が公道でテスト走行可能に
米国のウェブメディア「ars TECHNICA(アース・テクニカ)」は2月27日、カリフォルニア州車両管理局(DMV)が自動運転車に関する新しい規則を承認し、公道における自動運転車テスト走行の無人運転が可能になったことを報じた。
新たに承認された新規則は、人間のドライバーが運転席に同乗しない状態での、自動運転車の公道でのテスト走行を許可するというもの。従来の規則では、必要に応じて自動運転システムに代わって対応できるドライバーの同乗が義務付けられていた。これにより、自動運転車開発企業のウェイモや、自動車配車ウェブサイト運営会社のウーバー、大手自動車メーカーのゼネラルモーターズといった主要企業に対し、カリフォルニア州での一段階進んだ自動運転車テスト走行の道が開かれたことになる。新規則は4月2日に発効する。
カリフォルニア州は、2014年に公道における自動運転車のテスト走行実施を承認した米国で最初の州。しかし、ここ数年における自動運転技術の飛躍的な向上に対して、この規則は対応しきれておらず、柔軟性に欠けるとする声も大きくなっていた。これに対しアリゾナ州などの他州で、自動運転車のテスト・プログラムが活発化していた。
DMVディレクターのジーン・シオモト氏は今回の決定について「これはカリフォルニア州における自動運転技術にとって大きな一歩だ」とコメント。「安全に対して最大の配慮をしつつ、これまで無人走行テストを実施してきた企業と連携して進めて行きたい」としている。
無人車両の公道走行においては、離れた場所から車が操作可能となるように、車両にリモートコントロール接続があることを示すことが求められる。また自動運転車メーカーは行政側に対して、遠隔地の人間がどのように車両を操作し、どのように自動運転モードを解除するのかについての詳細説明などを義務付けられる。
一方、自動運転技術に反対の立場を示している消費者団体のコンシューマー・ウォッチドックは、新規則の導入を非難。「リモートテストオペレータは、遠隔からロボット・カーを監視し、制御を試みることを許可されることになる」、「これはまるでビデオゲームで遊んでいるようなものだ」などと指摘する声が上がっており、「人の命が容易に危険にさらされる」として警鐘を鳴らしている。
(写真はイメージ)