日本型教育を海外へ輸出 文科省、来年度予算要求
文部科学省は8月28日、新しく「日本型教育の海外展開」に1億5000万円の来年度予算の概算要求を行った。近年、諸外国の首脳や教育大臣などが、日本の教育に高い関心を示していることを受けたもの。
「日本の小中学校制度は独特であり、インドにモデルとして導入したい」(モディ首相)
「日本の教育システムは最も優れており、道徳倫理観の高さも評価している」(エジプト・エルシーシー大統領)
「トルコでは職業教育に力を入れており、日本の高専に関心がある」(アブジュ国家教育大臣)
「テインセイン大統領から、日本の教育制度を取り入れるように指示があった」(ミャンマーのティン・テイン大統領府大臣)
諸外国から高く評価されている日本型教育の例として、日本の初等中等教育の「規律正しさや高い学力」、日本経済を支えてきた「工学系人材の育成」、学校と民間企業による「質の高い教育サービス」などが挙げられる。これらの海外展開を進めるため、関係府省・法人・民間企業などで「日本型教育の海外展開官民協働プラットフォーム(仮称)」を立ち上げる。在京大使館など、諸外国の関係者とも情報共有や意見交換を行った上で、日本の教育を実施している主体と国際協力を進めている主体、日本の企業活動の海外展開を支援している主体が連携し、より層の厚い海外展開を狙う。
特に、複数機関が連携して協力することが想定される国については「国別分科会」を設け、対象国のニーズの明確化、分野の特定、各機関の連携モデルの構築などを行う。新たな協力の具体的な進展が見込まれる国では、官民協働での「国際フォーラム」を開催する。将来的に二国間の優良案件になりそうなもののうち、既存の枠組みに納まらないものは、「パイロット事業」として実施する。諸外国からのニーズが多い教育分野や、諸外国などの地域に詳しい専門家をアドバイザーとして置くことも検討している。
文科省はこれらの取り組みにより、教育を通じた諸外国との強固な信頼・協力関係の構築、日本の教育機関の国際化の促進、日本の教育産業などの海外進出の促進を目指す、としている。
(写真はイメージ)