南北会談実現!世界はこう見た(1) 対話の扉開いた歴史的瞬間
27日、世界が朝鮮半島の歴史的な雪解けの始まりを見守った。11年ぶりに実現した、韓国と北朝鮮の南北首脳会談。現地および世界各国の反応を2回に分けてまとめてみたい。
韓国外務省が世界に「見守って」とメッセージ発信
会談に先立つ23日、韓国外務省はツイッター上で康京和外相の英語のビデオメッセージを、世界のフォロワーに向けて発信した。#peacekoreaとタグ付けされたツイートで、康外相は「今まさに朝鮮半島で歴史が起こっている」とコメント。平昌五輪をきっかけに南北関係が飛躍的に前進したことに言及し、南北分断から70年の時を経て、北朝鮮の指導者が初めて韓国側に足を踏み入れることになるその歴史的意義を強調。軍事境界線である板門店で首脳会談が行われることが、世界平和への大きな一歩となるとして、「どうかサポートをお願いします。見守ってください」と述べた。この動画は、28日までに21万8000回以上視聴された。
北朝鮮指導者が韓国に足を踏み入れた歴史的瞬間
かつて朝鮮戦争によって戦火を交えた韓国と北朝鮮は、1953年以来「休戦状態」にある。今回、軍事境界線である板門店で実現した南北会談では、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が手をつないで境界線を超える場面が世界に中継された。文韓国大統領はこれに対して、「金委員長が軍事境界線を越えた瞬間、板門店は平和の象徴になった」とコメント。北朝鮮の金朝鮮労働党委員長は「対決の歴史に終止符を打ちに来た」と述べた。板門店宣言には、年内の終戦宣言や休戦協定の平和協定への転換、軍事的緊張と衝突の根源となる一切の敵対行為の全面中止など「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」ことなどが明記された。
メディアは「非核化の門が開かれた」と評価
これに対し韓国の東亜日報および朝鮮日報などの有力紙は、「完全な非核化の門が開かれた」と報じた。一方で、具体的な法案や時期などが、宣言文に含まれなかったことにも言及。北朝鮮のメディアは、首脳会談の具体的な内容を大々的に伝え、北朝鮮の「完全な非核化」の意志を再確認した。朝鮮中央通信、朝鮮中央放送など北朝鮮の公式媒体は、会談翌日の28日に「板門店宣言」の全体の内容を、特集で詳細に報道した。北朝鮮が、公式媒体を通じて非核化の意志を報道したのは極めて異例のことだ。
統一への実感がわいた瞬間
会談当日の韓国の様子を、全北中央新聞は以下のように伝えている。
全州市オンビッ小学校では、小学生たちも会談のようすを生放送で視聴。また、仕事中に中継を見守っていた大人たちも、「金委員長が軍事境界線を越えて文大統領と握手した歴史的瞬間、事務室の皆が業務を止めてテレビを見ていた」「金委員長のすべての言動が想像以上だった」とコメント。また「金委員長が『我々の言葉』を話すのをみて、本当に韓民族なのだな、統一というものは本当に実現可能なのだなという実感がわいた」という感想も聞かれた。
SNS上では、「文大統領と金委員長の平和に対する切実さを感じた」という肯定的な見解と、金正恩委員長に対して「変わらず彼は独裁者だ」とけん制する意見、「終戦を宣言しても本当に永遠な平和が続く確信はない」といった懐疑的な意見が混在している。一方で、韓国のメディアに初めて生放送で登場した金委員長に対しての反応は熱く、「外見がかわいい」「思ったよりも声が若い」などといった声も聞かれた。
執筆:白石美香、見市知
(写真はイメージ)
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