いすみ鉄道の名物社長が退任 廃線寸前から人気路線へ
廃線の危機に追い込まれていた旧国鉄のローカル線を、第三セクターのいすみ鉄道(本社:千葉県大多喜町)として再生させた立役者として知られる鳥塚亮氏が、いすみ鉄道社長を6月の任期満了をもって退任することが明らかになった。
17日、各紙の新聞報道を受けて鳥塚社長は自身のブログを更新。ブログでは9年前に社長に就任した当時、地域住民の半数以上の人たちが「いすみ鉄道は要らない」と言っていた状況から、今では大きく変化したことに言及。
「どの地域もそうですが、自分たちの未来は自分たちで作って行かなければなりません。そして、いすみ鉄道の場合は、そのための道筋は準備できています。やり方や方法論もすべて手の内をさらしてお見せしてきました。あとは地域の皆様方が、『自分たちで』しっかり未来を作って行っていただけるように、私は引き続きサポートさせていただきたいと考えております」とコメントした。
いすみ鉄道は、千葉県房総半島東部ののどかな田園地帯を走るローカル鉄道。鳥塚氏は航空会社に勤務していた2009年に公募で選ばれて社長に就任。いすみ鉄道を「地元の足」として存続させつつ、旧国鉄時代の急行型気動車(キハ52とキハ28)やムーミン列車を走らせるなど、鉄道ファンや観光客にアピールするさまざまな企画を繰り出し、名物鉄道としての知名度を押し上げた。
*2年前、いすみ鉄道~「ローカル線療法」の旅~を当サイトに寄稿した精神科医、垣渕洋一さんのコメント
「鳥塚さんには2年前にお会いしましたが、ご多忙な中でも本当にこまやかな配慮をされる方で感激しました。私を含め多くの鉄道ファンにとって、鉄道会社の社長になって、いすみ鉄道を再生させた鳥塚さんはヒーローです。退任されるといってもまだ57歳とお若いので、次はぜひ、JR北海道の社長くらいになって、立ち直らせてほしいです」
参考記事
【コラム】いすみ鉄道~「ローカル線療法」の旅~(1)(2016/06/21)
【コラム】いすみ鉄道~「ローカル線療法」の旅~(2)(2016/06/23)
【コラム】いすみ鉄道~「ローカル線療法」の旅~(3)(2016/06/30)