EUでストローなどの使い捨てプラスチック製品禁止法案
欧州委員会は5月28日、使い捨てプラスチック製品を禁止する法案を発表した。主な禁止対象として挙げられているのはストローや風船の柄の部分などだ。ドイツ公共放送のARDなどが報じた。
「今のままでは2050年には、魚よりも多くのプラスチックごみが海を漂流するようになるだろう」――フランス・ティンマーマンス欧州委副議長は「1秒間に700kgのプラスチックごみが海に流れ込んでいる」現状を指摘。そのような事態を回避するために、欧州が率先してプラスチックごみ対策に取り組むべきとしている。
欧州委の調べによると、EU全体で生産されるプラスチックごみの量は年間2600万トンで、このうちリサイクル率は30%未満。海に浮かぶごみの80%がプラスチックごみだとされている。今回の法案では禁止対象として、プラスチック製の皿、フォークやナイフ、ストロー、風船の柄やプラスチック製綿棒、飲み物をかき混ぜるマドラーなどが挙げられている。
これに対し、一般消費者からの苦情として予想される、「バーベキューや子どもの誕生会などに支障が生じる」という意見に対しては、欧州委はすでに環境に配慮した素材の代替商品が市場に出ていることを指摘。
また、2025年までにEU加盟国内でプラスチック製ボトルの90%をデポジット制度などで回収することや、ファストフードショップでのプラスチック製容器の使用を全面禁止することなどを目指すとしており、各国で再生不可能なプラスチックごみに対し、1kgごとに回収コストを課すことも提案されている。
(写真はイメージ)