大学時代の成長実感、背景には主体的学び ベネッセが調査
ベネッセホールディングス(岡山市北区)は、大学卒業生を対象に、大学時代の学びと成長に関する調査を実施し、9日に結果を発表した。演習形式の授業など主体的学びの機会が、大学時代の成長実感、さらに卒業後の自己効力感にも影響することが分かったが、同時に在学中に主体的学びの重要性に気付く学生は少ないことも分かった。
主体的な学びの機会を示す6項目について「(機会が)あった」と回答した比率は、6項目とも全体で約7~8割であり、大学時代に成長を「実感した」と回答した比率は全体で75.4%だった。大学時代の主体的な学びが多い群と少ない群で、成長を「実感した」割合を比べると、多い群は93.2%、少ない群の73.4%よりも19.8%高かった。主体的な学びが成長実感に影響していることが分かった。
さらに主体的な学びが多い群と少ない群で、現在の自己効力感3項目について「ある」と回答した比率を比較すると、「ものごとが思ったように進まない場合でも、自分は適切に対処できる」、「危機的な状況にあったとき、自分が立ち向かって解決していける」、「今の調子でやっていけば、これから起きることにも対応できる」の3項目とも、多い群が少ない群より8ポイント以上多くなった。
2012年に大学生を対象に行った調査と合わせて比較すると、「単位を取るのが難しくても、自分の興味のある授業がよい」と答えた割合は、在学生45.2%、卒業生は74.2%。 「学生が自分で調べて発表する演習形式の授業が多いほうがよい」と答えた割合は在学生16.7%、卒業生は47.5%だった。在学生ほど楽な単位取得や受け身の授業姿勢を好むが、卒業後社会に出た視点からすると、より厳しい環境で学習すべきと判断しているようである。
本調査の対象は23~34歳、40~55歳の日本の短期大学、4年制大学、6年制大学を卒業した者1万9833人。
(写真はイメージ)