グーグルCEOがAIに対する声明提示 「軍事利用や偏見に反対」
グーグル社のCEOスンダル・ピチャイ氏は7日、自身のブログ上で、同社のAIに対する原則について発表した。
ピチャイ氏はAI利用の目的について7つの原則を提示。その上で、「全体に害を及ぼす技術」や「人を傷つけることを第一の目的とする、あるいは、その導入により人を直接傷つけることになる兵器や、その他の科学技術」といった領域においては利用しないことを明言した。
これは今年3月、グーグルが米国防総省の委託を受け、軍用ドローンで撮影された画像をAIで解析する計画だと報じられたことを受けたもので、これに対しグーグル社内部から、「邪悪になるな」という同社の社是に反しているとして抗議の声が挙がった。さらに4000人近い反対署名が集まり、辞表を提出する社員も出るほどの騒動に発展。これを受けてグーグル社は、国防総省との契約更新をしないことを決定した。ピチャイ氏の今回の声明は、この一連の事態を踏まえたもの。
同声明では偏見についても触れられており、7原則の中で「不公平な偏見を作り出したり、助長したりすることを避けるべきだ」としている。最近ではIBMやマイクロソフトの顔分析システムにおいて、白人男性に比べ黒人女性の識別率が低いことが報告されている。適用するデータそのものに偏りがあると、AIもそのまま特定のグループに対する偏見を身に着けてしまう事例であり、広がるAIの利用の一方で、こうした点も懸念されている。
(冒頭の写真はGoogle LLC)