水中ドローンで深海1kmの生物調査に成功
水中ドローンの専業メーカーFullDepth(フルデプス・茨城県つくば市)は21日、開発した水中ドローンで神奈川県相模湾沖の深さ約1kmに到達し、15種類以上の深海生物の様子を捉えることに成功したと発表した。 深海に住む生き物などの海洋調査において、コストや安全面での飛躍が期待される。
FullDepthは、日本で初めての水中ドローンの専業メーカー。同社は遠隔操作によりバッテリー駆動で移動でき、大きさや重さもコンパクトな遠隔無人探査機「TripodFinder」を開発した。ドローン本体とPC、これらを繋ぐ通信ケーブルだけで、水中の様子を動画として記録できる。
深海1kmへの到達と深海の生き物の調査を行なうため、4日に神奈川県の相模湾沖で水中ドローンを投下。約30分かけて深さ981mの海底に到着した後、バッテリー駆動により約1時間の間、周囲の深海生物を観察することに成功した。調査で到達した最大の深さは983mで、深海に生息しているタカアシガニやエゾイバラガニ、ウナギやクラゲの仲間と思われる生き物など、15種類以上の深海生物を確認できたという。この調査の様子をまとめた記録動画もアップロードされ、暗闇に覆われた深海に、ドローンの光に照らされた深海生物が映し出されている様子が見られる。
水中ドローンの技術開発により、海洋調査のコスト削減や、命を落とす危険性もある、海洋上の構造物の建設などに携わるダイバーや潜水士の実態改善が期待できるという。
画像提供:FullDepth