地球資源の「使いすぎ」露呈 アース・オーバーシュート・デーは8月1日
国際シンクタンク「グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)」は、8月1日が2018年の 「アース・オーバーシュート・デー」であると発表した。これは地球が持つ一年分の資源の再生産量と二酸化炭素(CO2)吸収量をどこまでで使い尽くしたかの日付け。この日以降、人類は地球の「原資」に手をつけながら、いわば「赤字状態」で生活していくことになる。
アース・オーバーシュート・デーは、人間が地球の許容量を超えて資源利用していることを一般の人々に広く知らせ改善をうながすことを目的に、GFNが毎年設定しているもの。人口と自然資源への需要は世界的に増加しつづけており、1970年代初頭には、温室効果ガスの排出量と海や森からの資源需要量が増大し、地球の生物生産力(バイオキャパシティ)を上まわった。アース・オーバーシュート・デーは年々早まる傾向にあり、2000年には9月下旬だったのが、今年は2017年の8月3日に比べても2日早く、これまでで最も早くなった。つまり、今年、世界の人類の生活を支えるには地球1.7個分の自然資源が必要だということを意味する。
特に大きな負担になっているのが化石燃料の利用によって排出されたCO2による環境負荷で、全体の負荷の約6割を占めている。GFNはCO2による環境負荷を現状よりも5割削減すれば、93日、つまり3か月ほどアース・オーバーシュート・デーを遅らせることができると試算している。
なお、アース・オーバーシュート・デーは国別にも算出されており、日本は5月10日だった。世界平均より3ヶ月ほど早いということは、その分、日本人の生活が地球の自然環境へ与える負荷がより大きいということを意味する。これについて、WWFジャパン、エコロジカル・フットプリント担当の清野比咲子氏は「健康で文化的な生活を維持しながら、環境負荷の少ない持続可能な社会へ、日本が世界の手本となるように地球1個分の暮らしを一緒に始めよう」とコメントした。
(写真はイメージ)