対話の持つ力を活かす「対話のことばカード」リリース

「対話のことばカード」リリース フィンランドがモデル

クリエイティブシフト(横浜市)は、よりよい関係を築くための対話の心得をまとめた「対話のことばカード」をリリースした。このカードは、フィンランドで実績のある「オープンダイアローグ」という対話方法の本質をまとめたもので、組織やコミュニケーションにおける問題を解消する「対話」の心得が30個の言葉にまとめられ、カード化されている。自身のコミュニケーションのあり方を改善したり、対話型の組織に向けてメンバーで語り合ったりすることを目的としている。

家庭、学校、職場、地域などで生じる誤解やすれ違い、衝突といった問題を解消する方法に、「対話」がある。慶應義塾大学の井庭いばたかし研究室では、対話の持つ力をより多くの人が活かせるよう、対話という行為を紐解き、その心得をまとめた書籍『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(丸善出版)を、7月に発刊した。これは、「オープンダイアローグ」という方法をもとにしている。オープンダイアローグは、1980年代に開発された精神疾患に対する治療方法で、対話による精神疾患の治療方法として確立され、現在では公的な医療サービスに組み込まれている。

書籍ではオープンダイアローグの本質を、より実践的に思考や会話に取り入れることができるように、「パターン・ランゲージ」という形式で30の言葉にまとめ、体系化されている。パターン・ランゲージは、建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した知識記述の方法。よい町やよい建物に繰り返し現れる特徴を「パターン」と呼び、それを「ランゲージ」(言語)として表現し、共有する。ある状況で生じる問題をどのように解決すればよいのかという実践的な知を記述することで、問題発見・解決を支援し、誰でも自分なりにデザイン・実践に取り組むことができるようにすることが目指されている。

対話の持つ力を活かす「対話のことばカード」リリース

「対話のことばカード」はB7サイズで、書籍で示された30の心得のエッセンスが抜粋されている。カードに書かれている内容を意識しながら日ごろの対話を変えてみたり、周囲の人と対話のあり方について話し合ってみたりすることができる。

対話の持つ力を活かす「対話のことばカード」リリース

画像提供:クリエイティブシフト