欧州の自転車インフラ投資事情 アムステルダムはミュンヘンの5倍
環境保護団体のグリンピースが先頃、ドイツの6大都市における自転車インフラについての調査を発表した。28日付のフランクフルターアルゲマイネ紙オンライン版が伝えた。
同調査では、欧州で「最も自転車に優しい都市」として知られるデンマークのコペンハーゲンや、オランダのアムステルダムと比べて、ドイツの6大都市における人口比での自転車インフラ投資額がはるかに少ないことを指摘している。調査対象となったのは、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルン、フランクフルト、シュトゥットガルトの6都市。これらの都市が昨年、安全な自転車道整備などの自転車インフラに投資した額は、住民1人当たりでシュトゥットガルトが最も多く5ユーロ(約650円)、ベルリンが4.70ユーロ(約611円)、フランクフルトが4.30ユーロ(約559円)で、ミュンヘンが最も少なく2.30ユーロ(299円)だった。これに対し、アムステルダムでは住民1人当たり11ユーロ(約1430円)の自転車インフラ投資を行なっており、コペンハーゲンではこれが35.60ユーロ(約4628円)だった。
ドイツ連邦統計局の発表によると、ドイツでは昨年1年で382人が自転車の交通事故で死亡している。近年、ドイツ国内での交通事故全体の死亡者数は減少傾向にあるにも関わらず、自転車の事故死件数は変化しておらず、特に大型車両に巻き込まれる事故が多発しているという。
自転車先進都市のコペンハーゲンおよびアムステルダムでは、自転車人口はドイツの大都市より多いにも関わらず、事故発生率ははるかに少ないことをグリンピースは指摘。ドイツ政府に対して、大都市で安全に自転車に乗れるインフラ整備への投資増大を求めている。
*1ユーロ=130円で換算(8月28日現在)
(冒頭の写真は、自転車に最も優しい町として知られるコペンハーゲン)