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欧州サマータイム廃止の意向 460万人の意見公募を受けて

欧州サマータイム廃止の意向 460万人の意見公募を受けて

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は8月31日、EU加盟国28カ国の市民に対して行われた、サマータイム制度の是非を問う意見公募(パブリックコメント)の結果を受けて、サマータイムの切り替えを将来的に廃止する意向を表明した。独ハンデルスブラット紙オンライン版が報じた。

7~8月にかけて実施された、サマータイム制度の継続か廃止かを問う意見公募には、EU全体で460万人が参加、このうち84%が廃止を望むと表明したことが明らかになった。今回の意見公募はSNSの影響もあり、過去最高のコメント数が集まった。460万人のうち300万人はドイツからのコメントで、ドイツ国民の3.79%が参加したことになる。オーストリア、ルクセンブルク、フィンランド、エストニアからも多くの意見が寄せられた。一方で、参加者の割合が少なかった国はイタリア、ルーマニア、英国だった。また、集まったコメントの中で「廃止支持」の割合が最も多かった国はフィンランドとポーランドで95%、最も少なかった国はギリシャの56%とキプロスの53%だった。

欧州委は当初、意見公募は国民投票ではないとして今回の結果を消極的に捉えていたが、公式発表に先立ちドイツメディアが意見公募の結果を報道。これを受けてユンケル委員長がドイツ公共放送ZDFのインタビューに答え、サマータイム制度廃止の意向を表明する運びとなった。

サマータイム制度は1970年代のオイルショックがきっかけで導入され、ドイツでは、現行の形では1980年から施行されている。3月の最後の日曜日に時計の針を1時間進め、10月の最後の日曜日に時計の針を1時間戻すというもので、EU全体では1996年から導入されていた。

画像提供:ドイツ鉄道
 

参考記事
サマータイム廃止めぐりEUで意見公募 過去最大の460万人が参加(2018/08/22)
欧州でサマータイム廃止論議が活性化 意外に多い反対派の主張とは?(2018/03/27)