がんと診断された人は約86万7000人に増加 大腸がんが胃がん上回る
国立がん研究センターは15日、2014年にがんと診断された罹患数・率の全国値を、冊子として編集・公表した。「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活動促進の研究」研究班が、「地域がん登録」データを活用して算出した。これによると、男女合計でがんと診断された人は約86万7000人で前年より約1万8000人増え、男女計で見ると大腸がんが胃がんの罹患数を上回った。
男性では40歳以上で胃、大腸、肝臓など消化器官系の罹患が多くを占めるが、70歳以上になるとその割合は減少し、前立腺がんと肺がんの割合が増加する。女性では40歳代では乳がん、子宮がん、卵巣がんの罹患が多くを占めるが、高齢になるほどその割合は減少し、胃、大腸、肝臓などの消化器系と肺がんの割合が増加する。
今回大腸がんが胃がんの罹患数を上回った理由として、胃がんの確実なリスク要因として知られるピロリ菌の感染が若い世代を中心に減ったことが考えられる。また大腸がんの要因としては食生活の欧米化や飲酒、運動不足等と考えられている。
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