NISA、非課税期間終了後の選択肢は

NISA、非課税期間終了後の選択肢は?

2014年に日本で少額投資非課税制度がスタートしてから、もうすぐ5年となる。制度上、非課税期間が5年間となっているため、2014年のNISAスタート時から制度の利用を開始した人にとっては、5年間の非課税枠の終了を順次迎えていくことになる。非課税期間終了後にはどのような選択肢があるのだろうか。
 

そもそも「NISA」とは何か

NISAは2014年1月からスタートした、少額からの投資を手助けするための非課税制度のこと。英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)と呼ばれている。株式や投資信託の売却の際には、通常は利益分に課税されることになるが、NISA口座で買い付けを行った場合には非課税になるというもの。新規投資で1人1口座、年間120万円分が最長5年間の非課税となる。NISA自体は20歳以上であることが利用条件だが、20歳以下で利用できる「ジュニアNISA」もある。最近は、さらに少額から非課税で積み立てが可能な、「積み立てNISA」も話題となっている。
 

5年間の非課税期間終了後の選択肢は?

5年間の非課税期間終了後の選択肢は3パターンが考えられるだろう。

まず1つ目は、資産の売却だ。非課税枠で持っていた株式などの金融商品をここで売却するという選択肢がある。2つ目は、通常の課税口座に資産を移すことだ。また3つ目の選択肢として、「ロールオーバー」がある。ロールオーバーは翌年のNISA口座へ、保有している株式などの金融商品を移行できる制度のことで、非課税のまま資産の保有を続けることができる。

なお、売却やロールオーバーの場合は手続きが必要となるため、自分の保有しているNISA口座の非課税期間の終了時期を確認し、今後の方針を考えておきたいところだ。
 

マイナンバー制度との関係

ところで、現在、NISA口座を利用するためにはマイナンバーの提出が必要となっていることをご存知だろうか。2016年の所得税法などにより、証券会社へのマイナンバー提出が義務化されているのだ。このマイナンバー、NISA制度スタート当初には提出の必要がなかったため、提出することに対して抵抗感を感じるケースがあることも考えられる。ちなみに、マイナンバーを証券会社へ提出していない場合は、2018年以降のNISA口座での新規買い付けはできなくなるが、それ以前に購入した資産のNISA口座での保有は継続してできることになっている。

2014年からNISAを開始した人には、目前に迫った非課税枠終了の日。どの選択肢が自分にとって最適なのか、早めに検討することをお勧めする。

(写真はイメージ)