ワーキングホリデーの利用法 後編:何を目的に渡航するのか?
前編では、近年のワーキングホリデーで人気の渡航先などを紹介した。今回の後編では。もう少し踏み込んでいきたい。
日本におけるワーキングホリデーの歴史は、1980年にオーストラリアとの間で開始されたのが最初だった。それから40年近くの時間が立ち、今や外国に出て行くことが特別ではなくなった時代。ワーホリをより効果的に利用するために必要なものとは……?
目次
ワーキングホリデー制度利用者の、ワーホリ後の動向について
具体的な統計はないが、オーストラリアやカナダではワーキングホリデービザ終了後、別のビザ(就労や学生ビザ)に切り替えて滞在を延長する人が比較的多い。またドイツでも、ワーホリ後に就労ビザを得て滞在する人が傾向として多い。
ワーホリ後に就労ビザを取得する人は、ワーホリ中に仕事を見つけ、ワーホリ後もそこで正社員となって就労を始めるパターンが一般的。また、語学力を上達させる目的で、ワーホリビザから学生ビザ、観光ビザに切り替えて、就学目的で滞在を延長するケースもある。
英語圏、非英語圏に行く渡航人口の比率は?
英語圏:非英語圏の割合は8対2くらい。オーストラリアをはじめとした英語圏への渡航が多く、非英語圏ではフランスやドイツが人気の渡航先となっている。
意外と知られていないけれど、ワーホリにおすすめの穴場な国とは?
アイルランド:日本とワーキングホリデー協定を結んでいる欧州諸国の中で、英国以外に英語が公用語の国。また欧州の中では物価も安く、近隣国へのアクセスもよいため、近年人気が急上昇している。
ワーホリ利用目的の渡航先ごとの違いは?
基本的には国に関係なく、ほとんどの人が「語学の習得」を目的としている場合が多い。その中でも傾向として、オーストラリアは「リフレッシュ」を目的に、カナダは「勉強に集中すること」を目的に、欧州圏は「専門分野に関わること」を目的に渡航するケースが多い。
ワーキングホリデー制度が日本で始まってから38年。以前と最近での変化は?
10~20年ほど前までは、ビザ取得の条件が緩く長期間海外に滞在できるワーホリを、休暇目的に使う人が多かった。近年では自身のキャリアアップや語学の習得など、明確な目的・目標を持って渡航する人がほとんど。
渡航者の男女比では一貫して、総合的に女性渡航者の数が多い。一方、大学卒業前の年代(18~21歳)では男性の方が高い割合を占めるようになってきている。(新卒として就職を始める前にスキルや経験を身に付けるため)
1年間の滞在期間を有効に使うためのアドバイス
まず、ワーホリで渡航する「ゴール」を明確にすることが大切。ワーホリは「就労」「就学」「観光」となんでもできるビザだが、裏を返せば「何もしなくても海外に1年滞在できる」ビザでもある。なんの目標も持たずに渡航してしまうと、1年を無為に過ごしてしまうことにもなり得る。
多くの人が「海外で働きたい」「語学力を身に付けたい」という理由でワーホリを利用するが、そこからもう一歩踏み込んで「海外でどんな仕事に就きたいのか」「どのレベルの語学力を身に付けて何をしたいのか」までを明確にできれば、そこへ到達するために必要となものが見えてくるはず。そうすれば、1年という滞在期間を最大限有効に使うためのプランを作ることができる。
協力・写真提供:日本ワーキング・ホリデー協会
参考記事
9月からアイスランドでワーホリ開始 北欧では3カ国目(2018/06/17)