「チバニアン(千葉時代)」命名に向け、第2ステップを通過
国立極地研究所と茨城大学などの研究グループは19日、千葉県市原市の地層「千葉セクション」を、国際境界模式層断面とポイント(GSSP)とする申請が、国際地質科学連合(IUGS)の小委員会の審査を通過したと発表した。これは審査の第2ステップに当たり、審査は全部で4ステップある。最終審査を通過すれば、「千葉セクション」はGSSPとなり、現在「中期更新世」と呼ばれている約77万年前~約12万6千年前の地質時代の名称が「チバニアン」と名付けられることになる。
GSSPとは、国際地質科学連合(IUGS)が認定するそれぞれの地質時代の境界を地球上で最もよく示す地層のこと。GSSPは現在、世界に71カ所あるが、日本にはまだない。
今回「千葉セクション」に対して、IUGS内の第四紀層序小委員会(SQS)では、まず約2カ月の討論期間が設けられた。その後の10月17日から11月16日(英国時間)の期間に行われた電子メールでの投票の結果、委員22人中19人の票を得て「千葉セクション」が認められ、上部の委員会に答申されることになった。
「千葉セクション」は主に日本の研究者からなるチームが申請を提出し、2017年11月のGSSP審査の第1ステップである作業部会で3つの地層の中から選出されていた。今後は国際層序委員会(ICS)の投票において60%以上の得票が第3ステップ、IUGSの投票での60%以上の得票が第4ステップとなる。
今回、千葉セクションが日本初のGSSPになり、地質時代の名称が日本の地名に由来したものになれば、地質学だけでなく、日本の科学史においても大きな出来事になる。また、国内における地質学の一般への普及や、小・中・高校生などへの教育においても大きな波及効果が期待されている。
画像提供:国立極地研究所
参考記事
「チバニアン(千葉時代)」命名に一歩 作業部会で選出(2017/11/18)
「チバニアン(千葉時代)」命名なるか 国際学会に提案申請(2017/06/10)