27年ぶりの新税「出国税」とは? 【ニュースのコトバ解説】
7日から、船舶や航空機を使って日本を出国する人から一律1000円を徴収するという国際観光旅客税、いわゆる「出国税」が導入されました。国税としては1992年の「地価税」以来27年ぶりの新税となるこの税金について解説します。
徴収の対象とその方法
対象となるのは、適用開始日である1月7日以後に船舶又は航空機により、観光や仕事等で海外に行く「日本から海外へ出国する人」。日本人であるか外国人であるか、日本在住者であるか旅行者であるかに関係なく適用されます。徴収される税額は、出国1回につき大人と子どもが1人当たり一律1000円。このうち対象外で非課税となるケースが、2歳未満の子どもや入国後24時間以内に出国する乗り継ぎ客です。なお、7日以前に購入した航空券は対象外だが、7日以降に予約変更する場合は適用対象となるなど複雑な面もあり、航空各社は自社ウェブサイトで対応を公開しています。
徴収方法は船舶又は航空会社(特別徴収義務者)が、チケット代金に上乗せする等の方法で行われます。つまり飛行機の場合は、航空券等を発券する際に運賃や空港施設利用料等と共に徴収される仕組みとなっています。なおプライベートジェットなどは、利用者が搭乗するまでに税関へ納付することになっています。
集めた税金の使い道は?
出国税は、「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保するため」に創設されたもの。国税としては、1992年の「地価税」以来27年ぶりの新税となります。出国税での税収は「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」、「日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化」、「地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等」の3つの分野に活用されます。具体的には、空港の出入国の手続きをスムーズにする「顔認証ゲート」の配備や、観光地での多言語案内表示および設備の充実などの環境整備に活用されるとのことです。
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