国内初、GPS小型トラクタを販売開始 クボタ
クボタは17日、国内で初めて直進アシスト機能を搭載したコンパクトトラクタを販売すると発表した。今まで大型機が主流だったGPS農機の中で初めての小型機ということで、今後は小規模農家の需要をつかみたい狙い。
今回発売するパイロットシリーズ「NB21GS」は作業前に直進の基準線を設定すると、次の工程からは直進アシスト機能をONにするだけでハンドルが自動制御される。基準線に対して平行にまっすぐ進むため、運転手はハンドル操作が不要となる。自動運転での懸念点である安全面については、直進アシスト機能を使用している時でもハンドル操作は可能なため、緊急時に障害物を手動で避けることも可能。カラー液晶モニターにGPSの測位状況やほ場の傾斜角が表示され、注意が必要な時はブザーの通知機能も備えられている。
また、同社は同日、自動運転に対応した大型トラクタ、田植え機、自脱型コンバインを2020年までに市場に投入すると発表した。3機種の試作機も同日に公開し、「スマート農業」の具現化に貢献していくとした。
同社は2016年から自動運転トラクタを含むGPS農機「ファームパイロット(FarmPilot)シリーズ」を順次発売しており、直進をキープする機能を搭載した田植え機が好評だった。熟練した農家でも直線を保って水田や畑を進むには技術を要するが、直進キープ機能や自動操舵技術が発達することで、経験年数の浅い担い手でも、ほ場作業に取り組み易くなることから、担い手不足の解消が期待される。
人手不足など課題が山積している農業分野において、ロボット技術や情報通信技術を活用した農業技術の発展が加速しそうだ。
(写真はイメージ)