大手町にイノベーション拠点「インスパイア―ド・ラボ」 三菱地所とSAPが開設
三菱地所と企業向けソフトウェア大手の独SAPの日本法人SAP ジャパンは、オープンイノベーションのためのコラボラティブスペース「Inspired.Lab(インスパイアード・ラボ)」を1日、東京駅近くの大手町ビル内にオープンした。社会課題を解決する新規ビジネスの創出を目的としており、産業構造を変革するテクノロジーが集積し、協創を促すイノベーション拠点を目指すという。
またSAPは、全世界6カ所(サンフランシスコ、ベルリン、ニューヨーク、パリ、テルアビブ、ミュンヘン)で展開しているスタートアップ支援のためのアクセラレーションプログラム「SAP.iO」を日本でも開始。「SAP.iO Foundry Tokyo」として、Inspired.Labを中心に展開していく。両社が協業してファシリティの運営及びプログラムを提供することで、オープンイノベーションの「場」を支援し、イノベーション創出を考える大手企業とスタートアップの協創拠点を進めていく狙いだ。
三菱地所執行役常務の湯浅氏は、日本のビジネスの中心地である丸の内に工房機能があるイノベーション施設を持つことが重要だと強調。将来的には、丸の内仲通りを中心に丸の内エリア全体を実証実験の場とする構想を描いていると語り、「アイディアをすぐにプロトタイプに落とし、実証実験を繰り返すことができる環境を用意したい」とコメントした。
Inspired.Lab内にはカフェ風の共用部のほか、プライベートオフィス、ミーティングスペース、また3Dプリンターなどを備えた工房スペース、撮影用の簡易スタジオなどがある。これらの施設は、SAP.iOのパートナーに選ばれた企業や個人、また企業会員などが利用可能。施設運営は三菱地所とSAPジャパンが協力して行う。
例えば、Inspired.Lab利用者は、生み出したアイディアをInspired.Lab内の工房で3Dプリンターなどを使用してプロトタイプを作成することができ、その場で顧客やユーザーにテストを行いながら試行錯誤することで、新たな製品やサービスの開発に繋げられるという。
工房スペースには3Dプリンター、レーザープリンターなどを設置。有料利用。
また、大手町ビル内での実証実験も実施予定で、第一弾として、WHILL株式会社と三菱電機株式会社による「パーソナルモビリティ自動運転システム」、パナソニック株式会社と株式会社Liquidによる「無人販売ショーケース」の実証実験がスタートしている。