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2030年までに食品廃棄物の半減目指す方針 ドイツ政府発表

2030年までに食品廃棄物の半減目指す方針 ドイツ政府発表

ドイツ連邦政府は、大量に廃棄される食品ゴミを2030年までに半減させることを目指す方針を打ち出した。21日付のヴェルト紙が報じた。

賞味期限切れや食べ残しなどの食品廃棄物の大多数は家庭から出されるもので、連邦農業省によると、年間で廃棄される量は1世帯当たり55kg、1年間で1100万トンに上る。その一方で、世界全体で8億人が飢えに直面しているという現状を受け、ユリア・クレックナー農業・食糧相は「環境的、経済的、倫理的に、食糧供給のすべての領域において、食品廃棄物の量を大きく減らすことは義務であると言っていい」と訴えた。連邦食糧省は(1)農業、(2)加工業、(3)販売、(4)飲食業、(5)家庭の5つの領域において、対話フォーラムを設置。それぞれの領域における改善策の構想および目標設定を提唱している。

ゴミとして廃棄される食品の中で最も多いのが果物や野菜で、これは全体の3分の1を閉め、次いで多いのが調理済みの食品、パン類などだという。食品廃棄物問題の原因としては、人々の生活が豊かになり、食品の価格が下がったことから、食べ物に対する価値認識が落ちていることが指摘されている。ドイツでは、第2次世界大戦後間もない1950年代の家計におけるエンゲル係数は50%だったが、現在ではこれが10%程度となっている。

今回の政府方針に対し環境保護団体やフードシェアリング団体などからは、「食品廃棄物削減に向けての道筋となる目標が必要」との批判の声が上がっている。フランスやチェコではすでに食品廃棄物に対して、より厳しい政策が実施されており、スーパーマーケットが困窮者支援団体などと協力し、売れ残った食品を寄付することが法律で義務づけられている。

(写真はイメージ)