ベルリンで国際女性デーが新たな祝日に
3月8日は国際女性デー。ドイツの首都ベルリンでは今年から、この日が公式な祝日となった。これに伴い、日本国内でもドイツ大使館および総領事館は休館となる。
女性デーの発祥は女性参政権運動だった
国際女性デーの始まりは、欧米諸国での女性参政権運動にさかのぼる。1910年にコペンハーゲンで開かれた国際社会主義会議にて「女性の政治的自由と平等のために戦う日」として始まった。当初は3月19日だったが、1921年以降は3月8日に定められた。国連がこの日を「国際女性デー」と認定したのは1975年。現在、3月8日を公式な祝日として採用している国は25カ国以上に上り、この中には中国、マダガスカル、ネパールのように「女性のためだけの祝日」として祝う国もあるという。
ベルリンが新たな祝日を増やした理由
ドイツにおける国際女性デーは、旧東ドイツで大きな意味を持っていた歴史がある。1947年以降、旧東ドイツではこの日を祝日として制定、旧ソ連など他の社会主義諸国と同様に、男女同権および女性の労働価値を認める日として、女性に花を贈る習慣があった。
1990年の東西ドイツ統一後、ドイツ全体の祝日は、10月3日の「ドイツ統一の日」を除いてほとんどがキリスト教由来の祝日のみとなった。また、州によって公式な祝日の日数も異なっており、カトリック色の強い南部では8月15日が「マリア昇天祭」で祝日だが、プロテスタント教徒の多い北部でこの日は平日となっている。
ベルリンが今回、新たな祝日を1日増やした理由は、ベルリン州がこれまで「ドイツ16州の中で最も祝日が少ない」州であったためで、新祝日の候補には国際女性デー以外に、5月8日の第2次大戦欧州終戦記念日や、11月9日の「ベルリンの壁」崩壊の日などが挙がっていた。ちなみに、来年の3月8日は日曜日に当たる。ドイツに「振替休日」の概念はないため、これに代わる祝日として2020年だけは例外的に5月8日が「第2次大戦欧州終戦記念日75周年」としてベルリンで採用される予定だ。
(写真はイメージ)