5Gを国内4社に割り当て IoT時代の新たなコミュニケーションツールに
総務省は10日、NTTドコモ、KDDI(沖縄セルラー含む)、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯4社に対して、第5世代移動通信システム(以下、5G)に必要な電波を割り当てた。これにより、4社は2020年内に5Gによる商用通信サービスを開始する見通し。
IoT時代の重要な基盤になるとされる5G。すでに米国と韓国では5Gの商用サービスが始まっており、やや後れを取ったかたちで、日本でも第1弾の周波数割り当てが完了した。
今回用意された10枠の周波数のうち、スマートフォン(スマホ)等に使いやすい6枠はドコモとKDDIに2枠ずつ、ソフトバンクと楽天モバイルに1枠ずつ割り当てられた。機器間通信などに向く4枠は4社に1枠ずつ割り当てた。
5Gとは?
移動通信のシステムは、音声主体のアナログ通信である1G14から始まり、パケット通信に対応した2G、世界共通の方式となった3Gを経て、現在ではLTE-Advanced等の4Gまでが実用化されている。これに続く次世代のネットワークとして注目されているのが5G、つまり「第5世代移動通信システム」だ。現在、5Gは2020年の実現を目指して世界各国で取り組みが進められている。
これまでも1Gから4Gまで通信速度の向上は進んできたが、4Gまでが基本的には「人と人とのコミュニケーションを行うためのツール」として発展してきたのに対し、5Gは「あらゆるモノ・人などが繋がるIoT時代の新たなコミュニケーションツール」としての役割を果たすこととなる。
5Gの特徴
5Gの特徴は「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」の3つ。
「超高速」により、従来の4Gに比べて100倍早いブロードバンドサービスを提供できる。例えば、2時間の動画を3秒でダウンロードできるなど、スマホでの動画の送受信が容易になる。
「多数同時接続」は、基地局1台から同時に接続できる端末を従来より大幅に増やせるということ。例えば、これまで自宅でPCやスマートフォンなど数台程度の接続だったものが、5Gでは100台程度の機器やセンサーを同時にネット接続できるようになる。
「超低遅延」は、通信ネットワークにおける遅延つまりタイムラグを小さく抑えられること。高い安全性が求められるロボットの遠隔制御や遠隔医療、自動運転や小型無人機(ドローン)の制御など、幅広い用途が期待されている。
コミュニケーションのあり方の変化や、新たなビジネスの進展に繋がることが期待される5G。その実現に向けて、着々と準備が進められている。
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