カフェめぐり 湯島の和カフェ「茶房松緒」編
湯島天満宮の表鳥居を出ると、右手に「茶房松緒」がある。おだやかな秋の休日、ランチタイムに訪れた。のれんを開けて中に入ると、入り口に水場がある。
おすすめは何と言っても、限定20食だけ提供される「松緒昼膳」だ。注文するとすぐに、丁寧に折りたたんだお絞りと茎茶の冷茶が出される。昼膳の献立は冷前菜、温主菜、お椀、食事で、季節ごとの旬の食材で仕立ててくれる。食器も懇意にしている京都の焼き物の店から取り寄せたものだという。
厳選された調味料と出汁で調理され、薄味でありながらもしっかりとした味を感じる。この日の主菜は牛肉ときのこを炊いたもの、副菜にはかぼちゃの煮付け、焼き物は鮭、出し巻き卵。手前左の前菜はまぐろの中落ちに、いくらを載せたもの、真ん中はチーズ入りの茶碗蒸し、右手前がきゅうりとシラスの酢の物、味噌椀とごはんと漬物。非常に手間隙かけて作られていることを感じる。これを1000円で提供してくれるのだ。
またランチタイムには、限定の甘味デザートも注文できる。店のおすすめはミニあんみつ。具材や蜜にもこだわりがあり、餡は100年以上続く京都の老舗餡専門店が選んだ小豆を、昔ながらの製法で作ったという絶品餡子。蜜はすっきりとした甘みの黒蜜。果物はすべて生のものを使っている。値段は300円で、熱いお茶と共に提供してくれる。日本人で良かった、と感じるひとときだ。
店主は、「四季を通じて和ならではの贅沢なひとときを愉しんでほしい」という。毎週水曜日の夜は茶道教室も開催している。
茶房松緒ホームページ
http://sabomatsuo.com/policy.html