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23区の都市浸水をリアルタイムで予測 2020年に向けて社会実装目指す

23区の都市浸水をリアルタイムで予測 2020年に向けて社会実装目指す

早稲田大学と東京大学などの研究グループは20日、東京都23区で発生する都市浸水をリアルタイムで予測するシステムを開発したと発表した。まず東京都23区を対象に今年6月末までには試行運用を開始する予定。その後、2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックまでには安定した運用を目指すという。

同システムを開発したのは、早稲田大学理工学術院の関根正人教授、東京大学地球観測データ統融合連携研究機構の喜連川優教授・生駒栄司特任准教授と山本昭夫特任助教、および一般財団法人 リモート・センシング技術センターの研究グループ。

これまでも都市河川の洪水予測などに関連する計算技術はあったが、東京都23区の地上・下水道・都市河川といった都市内の雨水の流れを力学原理に基づいて一体的に計算し、浸水を予測する手法はなかった。気象庁によると、降雨予報には精度上の限界があり、それが30分先くらいまでだという。そこで同予測システムでは、現時点から30分後までのリアルタイム浸水予測の実現を目指すとのこと。

同研究チームは「現時点の浸水状況と、さらに30分後の状況を予測できれば、的確なタイミングでの対処が可能となり、自動車の最適な経路選択も容易になる」とし、「リアルタイム浸水予測が社会実装され活用が進むと、都市内のどこでいつどの程度の浸水が発生するかがわかるようになるため、具体的な形で浸水の危険を察知して安全を確保できるようになることを期待する」としている。

(写真はイメージ)