農業人材のマッチングアプリ「シェアグリ」 人手不足解消と農業体験
農業人材のシェアリングを推進するシェアグリ(東京都千代田区)は16日、農業の超短期求人に農作業をしたい人をマッチングさせるアプリ「シェアグリ」をリリースした。農業の人手不足の問題を解決するとともに、都心部にいる農作業体験希望者のニーズを満たすことを目指す。
「シェアグリ」は、農業の現場で繁忙期に必要とされる短期雇用人材に注目したサービス。農家側は無料で人材募集ができ、人手が必要な繁忙期に1日単位での人材の確保が可能になる。一方、土日や空いた時間で農作業したい都会の人たちは「シェアグリ」にアクセスし、場所や時給などの条件が合う農家がいれば、短期間の農作業ができるようになる。
気になるのは、農作業をするときに求められるスキルだが、農家が必要とするのは技術や資格を必要としない単純労働なので、農作業未経験者でも気軽に参加できるという。「その日だけの農作業」を実現し、都心部と地方、または地域内で農業人口をシェアリングすることで人手不足の解決を目指す。
現在は全国8県、約30件の農家が求人情報を寄せているが、今年中に全都道府県に拡大する予定。また同アプリは「関係人口※」の創出にも注目しており、都市部から地方圏の人々のつながりを作ることで短期的な人手不足の解消だけでなく、地域活性や長期的な農業関係人口の創出も目指している。
農業の現場では通年での単純労働者の雇用継続は資金的に難しく、短期雇用のニーズは大きい。また、都心部では農作業の健康への効果が注目される一方で、気軽に農作業できる市民農園は供給不足となっている。アプリによって都心部と地方のニーズを満たす新たな試みに、注目が集まっている。
※「関係人口」とは、地方に移住した「定住人口」や観光に来た「交流人口」とは別に、地域や地域の人々と多様にかかわる人々のことを指す。
(写真はイメージ)