手作りの「ごんぼコロッケ」が人気 二本松市の道の駅「さくらの郷」
「道の駅」は、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」、道の駅を核としてその地域の町同士が連携する「地域の連携機能」という3つの機能を持つ道路施設。2019年6月19日付時点で全国に1160カ所あるという。沿道地域の文化・歴史・名所・特産物などを紹介するなど施設毎に個性豊かなサービスを展開している。 |
福島県二本松市の東を南北に走る国道349号線、そして太平洋側の浜通りと会津地方を結ぶ国道459号線。2つの国道がちょうど交差するあたりに「道の駅 さくらの郷」はある。その名の通り、周辺には推定樹齢180年ともいわれる「合戦場のしだれ桜」や、「福田寺の糸桜」といった名木がある桜の名所。また、杉の単木としては国内最大級で、国指定の天然記念物にもなっている「杉沢の大杉」もすぐ近くにある。
そんな豊かな自然に囲まれた「道の駅 さくらの郷」は、地元の人や旅の途中で立ち寄る人を温かく迎えている。お昼時ともなると駐車場は満車になり、食堂は昼ごはんを食べる人たちでにぎわう。人気の秘密は地元産のそば粉をここで打った自前のそばや、地元のお母さんたちの手作り料理だ。また道の駅には珍しく、敷地内には本格的な窯も併設されていて、その場で焼き立てのピザが食べられる。直売所で、生地とトッピングがのった状態の手作りピザを購入し、外にある窯に持って行って焼いてもらうスタイルだ。30年以上使われているという窯で焼けるのを待つこと10分。天気のよい日は外のベンチで自然を感じながら、焼き立てのピザを楽しめる。
店舗には、地元の新鮮な野菜が多く並んでいる。初夏の時期に目を引くのは梅やシソ。レジ前のお惣菜コーナーには作り立てのお惣菜やおにぎりが並んでいるが、中でもイチオシは、二本松市の道の駅統一ブランドの「ごんぼコロッケ」(1個120円)だ。「ごんぼ」とはこの地域の方言で「ごぼう」のこと。やわらかめのジャガイモを使用したコロッケの中に、太めのささがきごぼうが入っている。一口食べると、まるでごぼうにかじりついたかのような香りが広がり、野菜の濃厚な味わいだけで、ソースがなくても食べられる。コロッケのほか、ふきを甘く煮た菓子やまんじゅうにも力を入れているそうだ。
この道の駅前を走る国道は、東日本大震災・原発事故後は浜通り地方の迂回路として利用されており、大型ダンプカーも多く往来する。日々忙しいトラック運転手にもほっと一息ついてもらえるような、そんな道の駅だ。
構内には花がきれいに飾られ、地元の人が大切にしている道の駅であることが感じられる。
施設案内
所在地:福島県二本松市東新殿字平石田12-2
営業時間:農産物直売所9~17時、レストラン11~15時
駐車場:普通車21台、大型車2台、身障者用1台
休館日:1月1日、2日