就活2018、動き出し早まる 6月前に面接選考開始が66.5%に増加

高卒採用求人2.5倍 「1人1社」制の課題感高まる

2020年3月に卒業する高校新卒者の選考及び採用内定が9月16日に解禁された。公共職業安定所(ハローワーク)における高校新卒者の求人倍率は7月末現在で2.52倍となり、1993年3月卒以来の高水準となった。

厚生労働省は「これまで大卒を中心に採用していた企業が高卒に目を向けるようになった」と説明。その理由として挙げられるのが内定辞退率の低さだ。2019年卒の大学生の辞退率は66.3%だったが、高校生の就職活動では内定辞退はほぼ起きない。その理由として「1人1社制」がある。1人1社制は1950年代から続くルールで、高校生の就活では1人の生徒が1社しか応募ができないようになっている。これには「高校での勉学がおろそかにならないように」という意図があるが、高卒の入社3年以内の離職率は4割と大卒の3割を上回り、本人の理解や納得が不十分なまま就職をした結果ミスマッチを起こしているとの指摘も多い。

1人1社制度では、長年の採用で教師と結びついた大手企業や地元有力企業が人材を確保しやすい。そのため新興企業にとってはこの制度が続くと不利な状況が続くことになる。文部科学省と・厚労省の両省も、この1人1社制が自由な就活を阻んでいることを無視できないとして、見直しに着手し20年初めにも結論を出す見通しだ。
半世紀以上続く慣行に変革が求められている。

2020年3月高卒新卒者の採用選考スケジュールは以下の通り。
6月1日:ハローワークによる求人申込書の受付開始
7月1日:企業による学校への求人申込及び学校訪問開始
9月5日:学校から企業への生徒の応募書類提出開始
9月16日:企業による選考開始及び採用内定開始

(写真はイメージ)