自動運転車椅子、2020年度から実用化へ WHILL
パーソナルモビリティの生産販売会社のWHILL(ウィル)は26日、自動運転機能搭載の車椅子「WHILL自動運転システム」の実証実験を2019年12月までに国内外5つの空港で実施し、2020年度以降に順次実用化を目指すと発表した。
パーソナルモビリティは一人乗りの移動支援機器。WHILL自動運転システムは、同社が独自に開発した自動運転・衝突回避機能などを備えた車椅子。長距離の歩行が困難な高齢者や障害者の移動をスマートにする、歩道領域におけるMaaS(Mobility as a Survice:移動のサービス化)の一つ。
2019年1月に行われた世界最大級の家電・エレクトロニクス技術展示会「Consumer Electronics Show(CES)2019」でプロトタイプを発表。それ以後、5月のアムステルダム・スキポール空港(オランダ)を皮切りに、11月に羽田空港とダラス・フォートワース国際空港(アメリカ)、12月にアブダビ国際空港(アラブ首長国連合)とウィニペグ国際空港(カナダ)で実証実験を行った。
同社によるとある大規模空港では、年間約7000万人の搭乗者のうち約1%強が移動や乗降などに支援を要するPRM(Passenger with Reduced Mobility)であり、その数は全世界の主要空港で平均して年間10%程度増加しているという。WHILLは自動運転システムの導入によって、歩行困難者の社会参加の機会を増やすとともに、介助の負担を軽減できるとしている。
WHILL自動運転システムは、2020年1月に開催されるCES2020でも展示予定。北米で販売しているWHILL Model Ciを、「ラストワンマイルモビリティ」としてCES会場でレンタルするという。
画像提供:WHILL