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ツツジ科のアルビノを初発見、ツイッター投稿写真がきっかけ

ツツジ科のアルビノを初発見、ツイッター投稿写真がきっかけ

北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教、神戸大学大学院理学研究科の末次健司准教授、北海道札幌市在住の田島裕子氏らによる研究グループは21日、札幌市内に生育するツツジ科イチヤクソウのアルビノ(白化個体)を発見したことを発表した。この研究は第一発見者である田島氏がツイッターに写真を投稿、首藤助教がそれに着目したことから始まったもの。ラン科以外の被子植物からのアルビノの発見は今回が初めて。研究成果は18日公開の「American Journal of Botany」に掲載された。

植物で葉緑体がないアルビノが見られるのは、光合成を行いながらも地中の菌から有機物を得る部分的菌従属栄養植物においてのみ。被子植物ではラン科でのみ知られていた。アルビノを用いて、菌への寄生に完全に移動した個体と、光合成と菌への寄生の両方を行う個体を同種で比較する研究ができる。

第一発見者である田島氏は2018年1月、札幌市内で撮影したイチヤクソウ属(ツツジ科)の写真をツイッターにアップロード。この写真を見た首藤助教が通常は緑色であるはずの葉が白色だったことからアルビノであることを疑い、末次准教授らとともに研究を開始した。

イチヤクソウ亜科は、国内ではラン科に次いで部分的菌従属栄養生活を営む種が多いことで知られている。首藤助教はウェブ上の写真でイチヤクソウ属のアルビノの存在を知ってはいたものの、実物を確認するのは今回が初めてとなった。発見された個体は、形態調査と葉緑体DNAの塩基配列によってイチヤクソウPyrola japonica Klenze ex Alef.であることが確定。葉緑素量とクロロフィル蛍光の測定によって光合成を行っていないアルビノであることが確認された。

本研究によって、部分的菌従属栄養植物のアルビノを、ラン科以外の被子植物から初めて報告された。この発見により、これまでラン科で進んできたアルビノを利用した研究が、ツツジ科でも進めることができるようになる。

画像提供:北海道大学(左:通常のイチヤクソウ、右:アルビノのイチヤクソウ)