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人間を忘れたチンアナゴに顔見せ祭り開催 すみだ水族館で5/3より

人間を忘れたチンアナゴに顔見せ祭り開催 すみだ水族館で5/3より

すみだ水族館(東京都墨田区)は4月28日、「緊急開催!チンアナゴ顔見せ祭り!」を急遽実施すると発表した。期間は5月3日~5日の3日間で、各日10時30分~14時に開催する。

チンアナゴは砂の中からちょこんと顔を出す水族館の人気者。ところが新型コロナウイルス感染拡大防止による長期休館によって、同館のチンアナゴたちに未曽有の事態が起きている。3月1日からの臨時休館以降、飼育スタッフ以外に人間に出会うことがなくなって、人間のことを忘れ始めているという。チンアナゴたちは飼育スタッフが通りかかってもすぐに砂に潜って隠れてしまう始末。チンアナゴたちが姿を見せなくなったことで、飼育スタッフが日ごろ行っている健康状態の確認も難しくなった。他にも、普段群れを成して生活するチンアナゴたちが群れからはぐれてしまったことでストレスを感じていないか、喧嘩して傷を負っていないかなど、砂の中に潜ってしまうと確認できないことが多い。

同館の飼育スタッフはこの事態に危機感を覚えて、本イベントを企画した。ビデオ通話越しに人の顔を見せることで、チンアナゴたちに人間の存在を忘れないようにしてもらおうというのだ。チンアナゴたちがこれまでどおり人間が近づいても砂に潜らずに、元気な姿を見せてほしいという願いが込められている。

チンアナゴ水槽前にタブレット端末5台を設置。開催期間にApple製品に標準搭載されているビデオ通話アプリ「Facetime」を通じて接続、チンアナゴに顔を見せながら手を振ったり呼び掛けたりする。5分ほど顔見せできたら、次の順番のために通信を切る。Android OSには対応していない。

同館としても初めての試みで、どんなチンアナゴが見られるかやってみないとわからないという。まったく顔を見せないこともあるかもしれない。同館では「みなさまの顔見せによって、チンアナゴたちが人間の存在を思い出してくれますように。みなさまのゴールデンウィークのおうち時間に、ほんの少しでもお役立ちできますように」と自宅からの協力を呼び掛けている。

画像提供:すみだ水族館