AIオンデマンドバス「のるーと」を全国展開へ 西鉄が発表
西日本鉄道は11日、福岡市で運行しているAI活用型オンデマンドバス「のるーと」を全国の地域・交通事業者へ展開すると発表した。同社と三菱商事が共同で出資する運行管理会社のネクスト・モビリティ社がオペレーションの仕組みや導入運営ノウハウを提供していく。
オンデマンドとはユーザーの要求があった際にその要求に応じてサービスを提供する形態のこと。「のるーと」は乗客のリクエストに応じて適宜ルートを設定しながら運行する乗り合いサービスだ。AIが利用データを蓄積・学習することでより効率的な運行ができるという。乗客は専用アプリから出発地・目的地を設定して配車予約、アプリから案内された場所で乗車する。配車・運行管理システムはスペアラボ社(カナダ)のものを使用している。
「のるーと」は2019年4月に福岡市東区のアイランドシティ地区で運行開始、今年6月より西区の壱岐南エリアでも運行されている。配車システムは安定的に稼働し、乗客からは一定の評価を得て、新しい交通サービスとして有効であることを確認できた。
また、「のるーと」は車両定員が10名以下のため、普通二種免許での運転が可能なことから、乗務員採用の裾野が広いことも特徴だ。
「のるーと」は、従来の定時定路線のバスではサービスが困難で、時間帯・経路を限定しない柔軟な運行を求められるような地域に効果的だという。同社では今後、この仕組みを広く提供し、各地域においての公共交通の課題解決につなげたいとのこと。
画像提供:西日本鉄道