NECが河川水位IoT監視パッケージを販売開始 水害への防災に
九州地域で猛烈な雨が降り、河川の氾濫や土砂災害、低地への浸水により各地で避難指示や避難勧告が発令されている。
近年、時間雨量50mm以上の豪雨の発生回数が約30年前の1.4倍に増加し、全国各地で浸水被害が問題になっている。特に市街地を流れる中小河川での水位の上昇により建物や土地、道路が浸水する内水氾濫のリスクが高まっている。
これらの災害に対して、NECプラットフォームズが6月17日、IoTを用いた中小河川向けの水位監視パッケージの販売を開始した。河川に設置した水位センサーからリアルタイムに情報を収集し、クラウド上で可視化するもの。身近な河川のリアルタイムな水位データを可視化することで、河川管理や地域防災に貢献することを目的としている。
同社が製品化した「河川水位IoT監視パッケージ」では、水位センサー子局が収集した水位情報を無線通信網を通じて親局に集約。そこで解析された情報をインターネットで住民に公開する。ネットワークの構築、水位センサー子局の設置、住民に公開するシステムの運営、保守までをワンパッケージ化して提供することで短期間での導入・サービス開始が可能とのこと。
同パッケージは静岡県掛川市において実際の環境下での動作検証を重ねている。2019年10月の台風19号による記録的な大型豪雨時に際し、リアルタイムに水情報を可視化することができた。また2019年11月から2020年3月まで、掛川市と市内5か所で稼働検証を共同で実施し、安定した通信で想定通り動作することを確認した。そして5月より住民に向けて河川の水位情報を公開するサービスが始まっている。
画像提供:NECプラットホーム(冒頭の写真はイメージ)