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外出自粛前後でシニア世代の約7割が外出頻度と社会との関わりが減少

外出自粛前後でシニア世代の約7割が外出頻度と社会との関わりが減少

近距離用のモビリティとサービスを提供するWHILL(神奈川県横浜市)は26日、「シニア世代におけるコロナ禍の外出・社会参加影響調査」の結果を発表した。4月7日に発令された緊急事態宣言による外出自粛の前後で、シニア世代の約7割が外出頻度と社会との関わりが減少したことが分かった。

同調査は2020年8月3日~6日に、モビリティ利用における生活者の意識を把握するため、(1)全国65歳以上のシニア世代の男女600名(平均年齢74.2歳)、内訳は歩きづらさを感じている300名(男性236名、女性64名)と、歩きづらさを感じていない300名(男性247名、女性53名)、(2)歩きづらさを感じている親を持つ30~50代の男女300名(平均年齢44.9歳、男性149名、女性151名)を対象にWEBアンケート方式で実施した。

シニア世代600名に対し、外出や社会との関わり合い(屋外で同居家族以外の他人と接し、趣味を行う活動)の頻度の変化について質問したところ、「どちらも変わらない」が29.2%、「どちらも減った」人は66.2%と、約7割が外出頻度と共に社会機会が減少するという結果になった。このうち、「外出頻度が減少した」と回答した歩きづらさを感じている人は64.7%で、歩きづらさを感じてない人は47.3%だった。また「社会との関わり合いが減った」と回答した歩きづらさを感じている人は66.3%、感じていない人は53.3%となり、歩きづらさを感じている人は特に顕著な結果となった。

また、外出や社会との関わり合いの頻度のいずれかが減った427名に、それらが減ったことの影響について質問した。歩きづらさを感じていない人は、「特に影響はなかった」が最多で、続いて「楽しいと感じることが減った」「刺激が減った」と回答した。一方で、歩きづらさを感じている人では、「身体に衰えを感じた」が5割を超えて最多、そして「楽しいと感じることが減った」、「外出が億劫になった」、「外出する気持ちがなくなった」の順で回答が多く、身体的な虚弱および外出へのネガティブな感情の想起が見られた。なお、両群で共通していたのは「楽しいと感じることが減った」という日常生活におけるポジティブ感情の低下だった。

この結果について、東京都立大学の藺牟田洋美准教授は「コロナ禍でシニアの外出頻度と社会参加の機会が減少し、心身もネガティブな影響を受けている可能性」があると指摘し、「将来、足腰が弱ったときに外出機会を減らさない手段を、今から検討する」ことの重要性を示唆した。

(写真はイメージ)