奄美大島でマングース根絶間近か 2年間捕獲ゼロ
環境省沖縄奄美自然環境事務所は10日、2019年の奄美大島でのマングース防除事業において、わな、探索犬ともに捕獲がなく、2018年4月より2年以上捕獲のない状態が続いていると発表した。2000年度から行っている防除事業によってマングースは継続的に減少しており、奄美大島における生息数は極めて少ないものになっていると考えられる。
マングースは1979年にハブ対策としてすでに導入された沖縄島から奄美大島に持ち込まれた。その後、2000年には約1万頭まで数が増えたため、奄美固有のアマミノクロウサギやアマミヤマシギなどの生態系保全を目的にマングースの駆除を開始した。
捕獲作業には生け捕り式の「はこわな」と「筒型補殺わな」を使用。2008年からはマングースの生息状況をより確実に把握し、効率的に捕獲するためにマングース探索犬を導入した。2019年度の防除事業では、わなの投入は217万わな日(わなの数×有効日数)だが、捕獲はゼロ。探索犬は14頭がのべ2663日活動し、探索ルートは全長4596kmに達したが、捕獲はなかった。目撃情報は11件あり、ほぼ全ての情報について聞き取り調査を実施して探索を行なったがマングースの生息確認はなかった。
今回の防除事業によって、奄美大島全島からの完全排除に向けて大きく前進したと考えられる。しかし、残存個体群が生息している可能性も否定できないため、続けて防除事業を継続していく。
(写真はイメージ)