小田急電鉄、世界を変えるサーキュラー・エコノミーソリューションとして日本初選出
小田急電鉄は9月25日、神奈川県座間市内で推進する「循環型コミュニティの創出」に関する取り組みについて、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)先進国であるフィンランドの公的イノベーション・ファンド「Sitra」が選定する「世界を変えるサーキュラー・エコノミーソリューション」に、日本企業・団体として初選出された。
Sitraは2017年から毎年優良なサーキュラー・エコノミーソリューションを選定し主催する、「世界循環経済フォーラム(WCEF)」 等を通じて世界に発信し、ビジネスと環境の調和による競争力のあるソリューションの創出をリードしている。
小田急電鉄では、循環型コミュニティの創出に向けて、旧社宅を、環境面への影響を考慮して賃貸住宅「ホシノタニ団地」としてリノベーションした。既存施設を生かして広場や貸農園などを配置し、定期的なイベントを開催するなど、居住者同士、地域住民とのコミュニティを創出した。また市と共に、米国企業のテクノロジーを活用した資源物収集のスマート化に関する実証実験や、ごみ問題解決のためのワークショップ等も協同している。
Sitraによると、郊外のコミュニティに高齢者が置き去りにされ若者が都心へ移り住む現状の中、限られたスペースを生かし共有化して循環的なライフスタイルを実現し、地域外から子育て年齢の人々を引き付けたコミュニティの回復力と、社会福祉の改善に対する取り組みを評価したとしている。
欧州委員会は、3月11日に「サーキュラー・エコノミー行動計画」を発表、持続可能で低炭素かつ資源効率的な経済への転換を目指すための、具体的な政策を打ち出した。IoTやビッグデータ、AI といったデジタル技術の活用により「製品のサービス化(Product as a Service:PaaS)」を実現し、資源循環の取り組みを加速させることができるとしている。欧州委員会は、計画の中でカギとなる7つの産業分野(電子機器・ICT、バッテリー・自動車、容器包装、プラスチック、繊維、建設・建物、食料・水・ニュートリション)を取り上げている。欧州での盛り上がりを背景に、サーキュラー・エコノミーの実現は日本にとっても、環境問題への対策と中長期的にサスティナブルな経済の実現から重要になってくるだろう。
画像提供:小田急電鉄(ホシノタニ団地)