【ノーベル賞2020】ノーベル文学賞に米詩人のルイーズ・グリュック氏
スウェーデンアカデミーは8日、2020年度のノーベル文学賞を米国の女性詩人ルイーズ・グリュック氏に授与すると発表した。
受賞理由としてはグリュック氏の作品の「個の存在を普遍的なものにする、厳粛な美しさを伴った、まごうことのない詩的な声」が挙げられている。
グリュック氏は1943年米国ニューヨーク生まれ。これまでいくつもの大学で教鞭を執り、現在はライター・イン・レジデンスとしてイェール大学に在籍、米マサチューセッツ州に居住している。代表作の『ワイルド・アイリス』は1993年にピューリッツァー賞の文学部門での賞を受賞した。
スウェーデンの大手日刊紙「ダーゲンス・ニュヘテル」が伝えたところによると、グリュック氏は今回の受賞をまったく予測していなかったとのことで、「最初に聞いたときはパニックを起こし、それから幻覚が起こっているのだと思った。そのあとで、大変な名誉を感じた」と語ったという。
ノーベル文学賞は1901年以来の歴史を持ち、女性の受章者は今回のグリュック氏で16人目。
ドイツのシュピーゲル誌によると、毎年ノーベル文学賞の予想を行っている世界最大規模の英ブックメーカー(賭け屋)ラドブロークスでは、今年の受賞予想のトップだったのがカナダ人の詩人アンネ・カールソン氏。
これにリュドミラ・ウリツカヤ氏(ロシア)、マーガレット・アトウッド氏(カナダ)、マリーズ・コンデ氏(フランス海外県グアドループ)が続き、女性作家の受賞が有力視されていた。
一方で、長年のノーベル文学賞候補とされる日本の村上春樹氏や、ケニアのグギ・ワ・ジオンゴ氏の名前も予想ランキング上位に挙がっていた。
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