5Gを活用した自動運転車いすの実用化に向け、久留米工大とドコモが協働
久留米工業大学とNTTドコモ九州支社は5日、AI自動運転車いすの実用化に向けての5Gを活用した「リモート手助け」の協働検討に関する覚書を締結したと発表した。リモート手助けとは、高精細な映像伝送や遠隔操縦を用いて遠隔地のスタッフが手助けすることにより、介助者なしでも自由に移動できる技術のこと。
久留米工業大学は、介助者なしで音声対話を通して行き先を相談しながら自動運転で目的地まで案内するパートナーモビリティの開発を進め、2017年から全国各地で実証実験を行ってきた。走行する道路の状況によっては自動運転が難しい場面もあり、また利用者の急な体調変化などで特別な支援が必要なケースもある。そのような場合にリモート手助けを実現するように今回の協働検討を行う。
NTTドコモの5Gおよびクラウドダイレクト接続技術を利用して、高精細かつ低遅延な映像伝送を行うことで、遠隔操縦の安全性と信頼性を高める。また、「エッジAI対応5Gデバイス」を開発し、その処理機能を用いてパートナーモビリティの自動運転を補助する。通路にある障害物の認識および障害物までの距離を測定する「障害物検知機能」、遠隔地に映像を伝送する際に映り込む人の顔にぼかしを加えた状態で転送する「プライバシー保護機能」などを検討している。
この取り組みを通して両者はパートナーモビリティの安全性と信頼性を高め、介護スタッフの負担軽減や労働人口減少に対する社会課題の解決を目指していく。
画像提供:NTTドコモ九州支社