腎移植治療へAI活用 アクセンチュアと女子医が共同研究を開始
アクセンチュアと東京女子医科大学は5日、腎移植後の QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に向けて、腎移植治療における人工知能(AI)活用の可能性について共同研究を開始すると発表した。患者の投与した薬の情報や検査結果などから拒絶反応や副作用を予測し、より効果的な治療法の選択に繋げることを目指す。
日本移植学会が発表する「データで見る臓器移植」によると、2017年末の透析患者数は約33万4000例、腎移植数は1742例で、年々増加傾向にある。今回の共同研究では、現在の治療法では制御が困難な慢性拒絶反応や、免疫制剤の長期間使用による副作用を抑えることで、移植患者のQOLの向上に取り組む。
共同研究では、過去に同大学病院で腎移植手術を受けた患者とその腎ドナーの基本情報、投与した薬剤の情報、検査項目や経過観察結果などの情報を分析する。これをもとに、AIによる拒絶反応や副作用の発生予測、最適なドナーと腎臓移植希望者の組み合わせの発見、術後の最適な治療法の提案の可能性を検証する。将来的には臨床現場への活用が期待される。
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