東電、ALPS処理水の二次処理試験で放射能物質の大幅低減達成を発表
東京電力(以下、東電)は12月24日、福島第一原子力発電所(1F)構内のALPS処理水のうちトリチウムを除く告示濃度比総和※が1を大きく上回る処理水についてALPSで二次処理し、告示濃度比総和を1未満に低減されたと公表した。
多核種除去設備ALPS(アルプス)は、原子炉の冷却などで生じる汚染水に含まれる(トリチウムを除く)放射性核種を除去するための設備で、主に沈殿処理や吸着材フィルターを多数組み合わせることで63種の放射性核種を除去できる。
1F構内で生じた汚染水はALPSにて放射性核種を除去したのちタンクにて保管されてきた。12月17日現在、1F構内に約123万立方メートルのALPS処理水が貯留されているが、国の放出基準(告示濃度比総和:1以下)を満たすのは全体の23%だった。
東電は今年9月より、告示濃度比総和が100を超えるタンク群(全体の6%)のうちJ1-C群(告示濃度比総和:2406)とJ1-G群(同387)のタンク群から各1000立方メートルずつ取り出し、ALPSで二次処理性能試験を実施。
処理後の各放射性核種の放射能を測定し、二次処理後の告示濃度比総和を評価した結果、告示濃度比総和J1はトリチウムを除いてJ1-C群は2,406から0.35に、J1-G群は387から0.22と大幅に低減され、排水基準の1を下回った。また放射能の大部分を占めていた放射性核種も十分に除去できることが確認された。
※告示濃度比総和:除去対象となる62核種と炭素14の告示濃度限度比(「処理水に含まれる放射性核種Aの濃度」÷「核種Aにおいて、人が1日に飲む量の水を1年間飲み続けた場合に計1mSvとなる各核種の放射性物質の濃度」)の総和
(写真はイメージ)